栽培・醸造責任者 / 安達貴

栽培・醸造責任者 / 安達貴

地元のおじいちゃん、おばあちゃんが山菜の天ぷらを食べながら、ワインを飲む村に。

 

ー安達さんは醸造家としてかわうちワイナリーで働きながら、他のワイナリーのアドバイザーも務めていますが「醸造家」を志したきっかけはあるのでしょうか?

 

僕は大学の醸造学科でお酒や発酵食品関係の勉強をしていましたが、そのときはワイナリーに務めたり、ワインを仕事にすることは考えていませんでした。ただ、大学の春休みにオーストラリアとニュージーランドのワイン用の葡萄農家にファームステイをしました。

 

そこでの農家さんの生活がとても楽しそうで、時間の流れ方とかも含めて。そこから仕事何しようかとなったときに、お酒の仕事はしたいなと思っていたので、日本酒とかビールとかも飲むし、好きなのですが、ワインは原料から作るという面白さがあって、今でこそホップを作ったり、お米を作っている酒蔵もありますが、ワインは葡萄をつくるのがほぼ100%なんですね。

 

その中で常に課題が目の前に現れて、その都度どのように対応して行くかを学んできたことが一番大きなきっかけだと思います。大学卒業後はワイナリーに就職し、身に付けた一通りの栽培や醸造の知識が、今でもベースにはなっています。様々なワイナリーや作り手と関わると、その考え方や作り方、作業の仕方が全然違うんですよね。それを「あ、これ面白そうだな」とちょっとずつ掻い摘んで、これまで勉強してきました。


ー安達さんは地域おこし協力隊としてかわうちワイナリーで醸造家として働かれていますが、どのような想いでワインづくりに取り組まれていらっしゃるんですか?


このかわうちワインやワイナリーを次の未来にどのように繋げて行くかが自分自身のミッションだと思っています。だからこそ会社自体が、例えば自分がいなくなったとしても、しっかりと続いて行くようなスタイルを確立しなければいけないなと思っています。

そのために、現在はワイナリーの標高が高く、冷涼な気候を活かした、様々な品種の葡萄やワインを作りながら、その反応を見て、次はどのようなものを作ろうかと試行錯誤しているところです。

 


 

ー毎年変わり続ける、成長し続けるワインを楽しめるんですね。実際にかわうちワインを飲まれる方にはどのようなことをお伝えしたいですか?


本当に様々な品種の葡萄やワインを作っているので、その中でこのかわうちワインやワイナリーの将来的な可能性を一緒に探してください、感じてくださいということをお伝えしたいです。これからかわうちワインのスタイルを確立していく過程にある段階ですので、これが将来的にどのようになるかを一緒に感じていただきたいですね。ワイナリー自体の標高が高く、冷涼な気候である個性を活かしたワインづくりにも取り組んでいきたいと思っています。


まだまだ自分自身、現状のワインには満足しておらず、伸び代があって、かわうちワインはチャレンジの最中にあります。皆さまにはそれを毎年楽しんでいただきたいです。毎年同じラインナップの安定的な品質で、その品質に対してファンを作るのは、大手のワイナリーが取り組めばいい話だと思っています。(笑)

 

ボジョレーヌーボーとは、今でこそ一つのイベントのような形になっていますが、元々はその年にどんな葡萄が出来たかのお披露目会でした。そのようなニュアンスで、毎年のかわうちワインを楽しんでいただけたらと思っています。


ー毎年生まれ変わり続けるかわうちワインがますます楽しみになりました!安達さんの今後の展望があれば教えてください。


僕は地元のおじいちゃん、おばあちゃんが山菜の天ぷらを食べながら、ワインを飲む村にしたいと思っています。ワインが日常的に食卓に並ぶ、そんなこの村の新しい当たり前を作りたいと思っています。もっと言えば、人口2,000人しかいないこの村に、ソムリエが100人移住して、ソムリエ率が日本一高い村になるのも、めっちゃアツいなと思いますね。(笑) そのために、これからも引き続き、試行錯誤を繰り返し、村民からも、村外や県外の方からも愛していただけるような品質のワインづくりに挑戦していきたいなと思います。


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