統括マネージャー / 遠藤一美

統括マネージャー / 遠藤一美

実現したいことはワインを通した人づくり。

 

ー遠藤さんはかわうちワイナリーで働かれて二年になりますが、最初はどのような想いでワイナリーで働かれていたんですか?

新しいことに挑戦するのはワクワクしますが、実際にまだ誰もやっていないことをやるのはやっぱり大変でもあるし、この事業は葡萄をしっかり生産して、ワインを作り、販売することでようやくそれが収入になるわけで、しっかりやり切ることができるのか、ワクワクと同じぐらい不安もありました。


だからこそ、はじめて自社畑で獲れた葡萄からワインを作ることができたときは非常に嬉しかったです。それをしっかり売ることが次のステップで、現在のところ順調に多くの方にお買い求めいただいていますが、その中にはお祝いの意味も込めて、購入いただいた方もいらっしゃると思いますので、さらに品質や美味しさを追い求めていかないと二本目、三本目に繋がらないなと思っています。

 

ーかわうちワインはさらに成長していく過程にあるんですね。遠藤さんのワインづくりのやりがいはどんなところにありますか?


やはり手を抜いたら、手を抜いたなりに葡萄やワインの品質や美味しさに直結するので、そこは常に全力投球でやっています。あとは、一年に一回しか収穫できないものを、如何にこだわって作るかという醍醐味もあります。よくできる場合も、そうではない場合もあって、人生そのものだなと思いますね。だからこそ、来年こそはいいのができる、またさらに来年と続けていくのが、このワインづくりなのかなと思っています。


ーそんな遠藤さんがつくるかわうちワインの特徴はどんなところにあると思いますか?また、かわうちワインをどのようなワインにしていきたいですか?

このワインの特徴は、はつらつとした酸味かなと思っています。それを無くしてしまっては、他の地域やワイナリーでつくられているワインと同じような味わいのワインになってしまいますので。


そして、このワインを評価してもらえる場所にも、積極的に出ていかなくてはいけないなと思っています。例えば日本ワインコンクールに出品して、賞やグランプリを狙うことでブランド価値を高めるだとか。すぐには出来ないと思うので、来年こそはと積み重ねて行くことで、徐々に評価されるワインに繋がっていけばいいかなと。


ただ、このかわうちワインのファンを増やしていくためには、それだけではなく、一本一本丁寧に作って「あそこのワインが美味しかったよ」と口コミで拡がって行くことも大事なので、そんなワインにしていきたいと考えています。


 

ーかわうちワイナリーは村内外の方々にとってどのような存在にしていきたいですか?

いつでも来れるような場所になりたいですね。例えばお酒が飲めない方でも「景色が良くて、葡萄がなっている場所があるから、一緒に行ってみようか」と気兼ねなく来れる場所になったら良いなと思いますね。


そこには、ワイナリーという存在を越えて、例えばショップやレストラン、宿泊施設まで併設されていて、ソフトクリームなんかが食べられたら、お子さんにも喜んで来ていただけるかなと。建物は薪ストーブを使ったログハウスで、レストランには地元食材を利用した定食や、ピザ窯まで併設して、地元野菜を使ったピザを出すとか、そのようなことが将来的に実現できたら良いなと思いますね。


ーワイナリーの絶景の中で食事をしながら、実際にそのワイナリーでできたワインを楽しめる場所は最高ですね!遠藤さんがワインづくりを通して、実現したいことは何かありますか?

人づくりだと思うんですよね、ワインを通した人づくり。やはり何でも最終的には「人」じゃないですか。知識や能力も大切ですが、それだけじゃないなと。ワインづくりを通して、エネルギーが溢れる人づくりがしたいですね。そのためには、多くの方に現場に来ていただいて、畑の中に入ってもらったり、ワイナリーを見てもらったりすること、それをやり続けて行くことが重要かなと思っています。


そのため、作業で忙しくて、見学やボランティアに来られる方のご案内するのが大変なときもあるのですが、やり続けることで何かに繋がると思いますので、そのときは笑顔で対応するとか、そういったことを大事にしています。その先で、このワイン事業に関わってみたいとか、ずっとやり続けてみたいと感じられる人に出会うことができたらと思います。このワインを守る、川内村を守るという形で、一生懸命やってる人は、必ず周りの人が見てくれるはずなので。


50年、100年と続く事業にできればと思っていますし、その中で次世代を育てて、我々がきちっと足跡を残すことで、今の子どもたちが大人になって、ここで働きたいと思えたり、村外や県外からも移住してきて、関わりたいと思えるような場所にしていきたいと思っています。

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